顧問税理士の変更について、新しい税理士が、自社の的確なアドバイスやサポートをスムーズに行ってもらうために、解約税理士から預けていた書類やデータを確実に回収しましょう。
税理士変更の際に「新しい税理士が必要なもの」を揃えよう
税理士を変更して引き継いでもらうといっても、新しい顧問税理士に現在進行形の資料だけ渡すだけでは、仕事を始めてもらうのは難しいです。
新しい顧問税理士に、会社の状況やこれまでの会計処理方法を把握してもらうため、また税務調査が入ったときに対応するためには、少なくとも過去3期分の書類が必要です。直近分だけでなく、過去分の書類やデータまできちんと返却してもらいましょう。
解約税理士から返却してもらう書類
- 基本書類
- 総勘定元帳 3期分(補助元帳もあれば、補助元帳も)
- 決算書(別表、決算書、内訳明細書、固定資産台帳)3期分
- 消費税計算書 3期分
- 賃上げ促進税制等税額控除を受けた決算の根拠書類
- 法定調書 償却資産税申告書 3期分
- 消費税関係ほか税務署へ過去に提出した届出書
- 源泉徴収簿を含めた年末調整関係書類 3期分
- 期中の会計データ
- 記帳代行等で預けていた請求書や領収書、契約書、返済表などの証憑書類
- 試算表(各月・累計)、補助残高一覧表
- 仕訳帳
- e-tax やel-tax情報・・・・利用者識別番号とパスワード
- 顧問先で用意する書類
- 会社の定款
- 登記簿謄本
解約税理士がなかなか資料を返却してくれない
稀に書類をなかなか返却しない残念な税理士もおります。解約した顧問先への感情的なしこりや、自分のミスを知られたくない、といった事情があることが多いです。
それでも顧問先の書類は、顧問先にありますので、解約税理士は返却に応じなければなりません。
解約税理士と、もめてしまった場合どうすればよい?
今の税理士がどうしても解約に応じてくれない、書類を返してくれない、といったトラブルが生じた場合には、まずは「税理士会」に相談してみましょう。税理士は必ず税理士会に所属しています。その税理士会には、「紛議調停」という制度があり、そこに申し立てをすることができます。
例えば、東京税理士会や東京地方税理士会は以下のようになっています。
東京税理士会 紛議調停制度
https://www.tokyozeirishikai.or.jp/general/consultation/mediation/
東京地方税理士会 紛議調停制度のあらまし
https://www.tochizei.or.jp/gaiyo/cyotei.html
まとめ
税理士に依頼する書類の多くは、会社の機密情報を含んでいます。
現在の顧問税理士に契約解除を申し出た時点で、書類の返却がいつになるのかを確認し、できるだけ速やかに返却してもらってください。
私の事務所でも、税理士変更の顧問先様が多く、経営者様に書類の依頼をお願いしますが、一度に揃うことはございません。経営者様は、このような書類の事は、わからないという事が殆どでしょうが、そのようなお困りの際は、濱岡英好税理士事務所まで、お気軽にご相談ください!